マキエと長く同調できるというのが全遊動のメリットのひとつですが、そのためには仕掛けをマキエと同じ速さで沈めなくてはなりません。そして、それを可能にするのがガン玉の選択ということになります。
道糸が大きな抵抗になる
仕掛けをゆっくり沈めるときの障害となるのはなんだと思いますか?
最大の障害はライン=道糸です。ラインそのものの重さは大したことはありません。ですが、風や流れを受けるとそれが大きな抵抗となり、仕掛けがスムーズに沈むのを妨害するのです。したがって、無風で凪ならG2のガン玉でゆっくり沈んでいたのに、風があったり、表層流が速かったりするとそれ以上の重さが必要になります。
さらに、距離=長さも問題になります。10m沖を釣るのと50m沖とではラインの長さが全然違ってきます。それに伴って抵抗は大きくもなれば小さくもなります。その抵抗を解消してくれるのがガン玉で、抵抗の大小によってガン玉のサイズを使い分けなければなりません。ラインの送り加減で調整できる範囲ならその必要はありません。しかし、限度を超えるとガン玉を交換した方がスムーズに仕掛けを沈めることが可能になります。
ガン玉の交換は面倒
それまで遠投釣りをしていたとします。だけど、流れなどの状況が変わり、近距離~中距離に切り替えたとします。全遊動を継続するならガン玉を小さく軽くしなければなりません。
さて、皆さんならどうしますか?
①ハリ、またはスイベル側のハリスを切る。
②ナイフ、または爪でガン玉をこじ開ける。
③専用のツールを使ってガン玉を外す。
ハリスを傷つけたくないので、いずれの方法も面倒です。最近は軟らかタイプのガン玉が開発されていますが、ゴム張りほどはありません。
ここは、面倒でもハリスを切るか、高価でもゴム張りを使うかというところですが、スイベルの上でいいのなら板オモリや糸オモリを使うというのも一手です。簡単に切り取れますから重量は自由に変えられます。
ラインは細いほどいい
マキエとの同調やサシエ先行を図るため、グレ釣りではラインメンディングが重要視されています。ラインが風や表層流の影響を受けて仕掛けの動きを妨げるのを防ぐためで、ベテランにとっては当然のタスクとされています。
このように、ラインはさまざまな障害をもたらす元凶であり、全遊動仕掛けの素直な動きもしばしば阻害します。それを軽減するには細くするのが一番です。ナイロンなら1.5号まで落としてみてください。興味があるならPEもいいでしょう。フカセ釣り用のPEも開発されていますから、以前ほどは使いづらくはありません。
ナイロンの場合は巻き癖も障害になります。仕掛けの位置が30m沖でも、巻き癖があるとラインは35mも40mも出てしまいます。すると抵抗が余計にかかるわけで、加えて操作が煩わしくなりますから、ラインは新しいほど使いやすいと思ってください。交換をこまめにすること。それが大切です。
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