今年もセイゴはやって来た

その瞬間、ボクはヤバイ!と思ったのです。

竿は1.5号、ハリスは3号。バラす恐れはありません。ただ、大きな問題があります。海面まで7mはあってタモはクルマの中なのです。この時期、ヒットするセイゴのメインは20~30㎝で、40㎝を超えるサイズは出ないはずでした。けれど、今仕掛けを引き回しているのは間違いなく40㎝オーバーです。グイグイと抵抗する魚をようやく浮かせて、さて、どうしようかと考えます。ダメだろうと思いつつ抜き上げようとしましたが、やっぱり不可能なことに思い至りました。

50㎝クラスがヒット!

4~5月が産卵シーズンで、その後は小休止というのがチヌの毎年のパターンだから、6月はいつもセイゴ釣りを楽しんでいます。コロナ禍による緊急事態が延長されて糸島の漁港はどこも自粛要請が出されているけれど、ボクのホームグラウンドである泉川の河口はそのカテゴリーに含まれません。ほかの釣り人に出会う機会もめったにありません。

6月12日、下り中潮初日で干潮は17時、満潮は23時26分と条件はあまりよくありません。本当は20~21時に満潮を迎えるときに釣行したかったのですが、そうそう理想通りにはいきません。橋の上の常夜灯が点灯した20時過ぎから竿出しを始めました。過去の経験から、この釣り場のアタリはウキがじわっと沈んでいくというのが標準なのですが、この日はそんなアタリはちっとも見られません。で、ヒットしたのは橋の下に送り込んだ仕掛けをゆっくり引き戻そうとしたときでした。小さな抵抗があり、次の瞬間グーンと引っ張られました。このとき、即座にアワセを入れると掛かりが浅く、バラす可能性があります(これまで何度となくバラしています)。少し送って相手に引っ張らせ、そこで本格的なアワセを入れました。

そこで冒頭に戻ります。魚が弱ったところで道糸を出して泳がせ、その間にボクはクルマまで戻ってタモを取って引き返し、なんとか取り込むことができました。50㎝はこの釣り場でのベストの数字です。ま、大型は何度もバラしているのですが。

釣り場には固有のヒットパターンがある

さて、問題です。上の写真がこの日の釣り場の弁天橋なのですが、あなたならどこを釣りますか? つまり、出ていく流れか、それとも当たってくる流れか、です。知らなければ大半の人は出ていく流れを釣ると答えるでしょう。写真でいえば右に向かう流れです。潮に乗せて仕掛けを流すというのがウキ釣りの基本だし、流れに乗って移動するのがセイゴという魚です。

しかし、この釣り場はそれではアタリが出ません。まったくとはいいませんが、アタリは非常に少ないと思っていいでしょう。正解は当て潮(写真では左流れ)に乗せて橋の下を探ることです。セイゴは橋の下に潜んでいるのです。一般に、夜釣りでは明かりの周囲がポイントだといわれています。出ていく流れを釣ればその「明かりの周囲」を探ることができるのですが、その一般論は通用しません。セイゴが橋の下に集まる理由ははっきりとは分からないのですが、常夜灯の明かりを嫌っているとしか思えません。だったらここに近づかなければいいのに、やっぱり光に集まる小魚を狙っているのでしょうか?

それはともかく、橋の下を釣るというのがこの釣り場のヒットパターンです。釣り場にはすべてこのヒットパターンがあり、それを見つけないとなかなか安定した釣果を得ることはできません。魚がスレてなくて数が多いところならそれほど苦労することはないのですが、近場の波止では絶対に必要なものだとボクは思っています。

弁天橋は上流側にも下流側にも歩道がありますからクルマの通行を妨げることはありません。足場もいいから安心して竿を出すことができます。問題は、海面まで距離があることで、大型は取り込みに苦労します。

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