情報源を持っていますか? その1

5月には毎年、博多湾で大型のチヌを仕留めていたのに、今年はとうとう釣れずじまいで6月に入ってしまいました。常連の言葉によると、今年はアジも全然入ってないということです。昨年はあれだけ釣れていたテナガダコの姿も見かけません。チヌも入ってきてないのかもしれないのですが、その裏付けが取れません。誰かに聞けば? そこでハタと困ってしまいました。

ボクはもともと北九州の出身で、北九州には苅田から門司、若松とチヌ釣り場は豊富にあります。そして、それぞれの釣り場に詳しい釣具店が存在しているのです。状況はもちろん、一つ一つの釣り場を実によく知っています。

それに比べて福岡は、これまでボクが知っている限りそこまで詳しい釣具店は見当たりません。過去には存在していたのですが相次いで閉店して、残っているのは「売るだけの大型店」だけです。それなりに情報の大切さは分かっているのでしょうが、大ざっぱでしかありません。

例えば、この春、チヌがよく釣れていたという糸島の船越漁港がありますが、どこで釣れたのかと尋ねると内波止(久家の波止と呼ばれています)とまでしか回答はありません。久家の波止といっても付け根、カーブの手前、カーブの先、先端とチヌが狙えるところはいくつもあり、それなりに釣り方は異なります。なにしろ、潮の流れが違うのです。糸島の内波止なら上げも下げもゆったりした流れしかないだろうと思ったら大間違いです。ボク自身が体験したのですが、いつもは下の写真の付け根近くで竿出ししていて常にゆったりした流れの中で釣りをしていました。そして、久家の波止は全体がこういう潮なのだと思い込んでいました。

ところが、こないだカーブの手前で竿を出して初めて気づきました。下げ潮は予想以上に速く沖へ出ていくのです。その日は下り中潮の2日目だったのですが、潮回りによるものかどうかまでは分かりません。ボクは体験していないからです。

魚の絶対数が少なく、しかもスレている近場でチヌを釣り上げるのは非常に難しいと思っていいでしょう。そんな状況で狙い通りに仕留めるには釣り場を熟知する必要があります。時期による魚の動きを知り、どんな潮、どんな時間で食欲を起こすのか、そのときはどんな流れ方をするかなどを知っていれば有利な立場になれます。しかし、それだけの知識を得るにはかなりの経験が欠かせません。何度も通ってボーズを繰り返し、知識を一つ一つ積み重ねていく努力が土台になるのです。数回通っただけでチヌを釣り上げるとは思わない方が賢明です。

この写真は久家の波止の先端部で、竿を曲げているのは残念ながらチヌではありません。そう、ボラでした。犬走りの上から竿を出さなければならず、足場が狭いからボクはあまり好きではないのです。

知識と経験を簡単に得られる「情報」

一人で得ることができる情報には限界があります。前述したように、通って通って通い続けないとなかなか本質は捕らえきれません。しかし、それだけの努力を積み重ねなくとも簡単に情報を得ることができる方法があります。それが釣り場に詳しい釣具店の存在です。

釣具店はいくつかのタイプに分けることができます。大型の販売店、ある程度釣り場に特化した中規模店、釣り場に密着した小型店、限定した釣りに特化した小型店。大雑把に分けるとこんなものでしょうか。

この中で注目したいのが限定した釣りに特化した小型店です。イシダイ釣りやダゴチン釣り、ヘラブナ釣り、ハエ釣りなどに特化した店は数々ありますが、ここではいうまでもなくチヌ釣りに特化した釣具店に焦点を当ててみましょう。店主はもちろんチヌ釣りが大好きで、同じくチヌ釣りファンである釣り客がたくさん集まっています。往々にしてチヌ釣りクラブの事務局も設置されています。必然的にチヌ釣りに関する情報がたくさん集まってきます。この釣具店のお客になれば、願っている以上の情報が入ってくるはずです。

もっとも、釣り具業界は現在再編の荒波が押し寄せ、中・小の釣具店にとって非常に厳しい状況にあります。福岡市内に存在していた釣具店はその数を大きく減らし、ボクが望んでいるお店とは出会えていないのが現実です。

情報源はこのほか、釣り友達、釣りクラブという存在もあって、改めて取り上げる予定です。

ほかの釣り人を見ていると久家の波止では先端側から釣り座が埋まっているようで、やはり実績があるのかなあと思っているところです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました