4月は糸島半島の船越漁港に二回釣行しました。チヌがよく釣れているという情報が入っていたからです。特に東側の久家(くが)の波止は足場がよくて駐車スペースも広く、いろいろな意味で便利なのです。
ただし、問題があります。早朝から外側に竿出ししていると正面から朝日が昇ってくるのです。それもあって、常連は大半が棒ウキを使っています。ボクはどこに行っても円錐ウキなので、逆光だとまず見えません。というわけで、ここでは午前中は沈め釣りをやってます。それでヒットすればなにも問題はないのですが、ここではニ連敗。半遊動で底すれすれを流して広く探った方がいいのか、それとも沈め釣り、または全遊動で上から沈めて底に達したら引き上げ、また上から沈めるべきなのか。ずっと悩んでいます。
棒ウキのメリットは視認性と感度
棒ウキには円錐ウキにないメリットがいろいろあります。もちろん、円錐ウキにもさまざまなメリットがあります。で、結局ボクは円錐ウキを選択して、逆光にもメゲずに使い続けているわけです。一方、同じ久家の波止で竿出ししている釣り人の大半は棒ウキを使っています。
さて、多くの人はどんな理由で棒ウキを選択しているのでしょう? おそらく、たぶん、もしかして、視認性と感度を優先しているのではないでしょうか? 仕掛けがどこにあるかを知りたければ、確かに視認性は高い方が有利です。この点についてはなにも問題はありません。問題があるのは感度だ、とボクは思っています。
チヌ釣りには感度の高いウキを使った方が有利だと思っている人がまだまだ多いようです。これは決して間違いだとは思いません。潮通しのいい磯ではウキのわずかな動きでアワセを入れて、それで実績を上げている釣り人が珍しくないからです(瀬戸内海に多いようです)。ウキの小さい動きを見たいのなら感度は高い方がいいのは当たり前でしょう。
しかし、潮があまり動かない波止の場合、早合わせでハリ掛かりさせるのは難しくなります。チヌの口は非常に硬く、ハリを掛けるのは皮、またはジゴクと呼ばれるところしかありません。皮だとやり取りの最中に外れる可能性が高く、ジゴクに掛けるには確実性に欠けます。間違いなくハリ掛かりさせようとしたらハリを飲み込ませることに勝るものはないでしょう。
上アゴと下アゴの接続部、口の切れ込みの一番奥が
ジゴクと呼ばれる部分です。
いうまでもなく、ハリを飲み込ませるには遅合わせが欠かせません。ハリが胃袋に納まるまで待って、そこでアワセを入れればいいのです。ということは、ウキの感度は必ずしも高くある必要はないと思いませんか? ウキが見えなくなるまで送り込み、竿先が曲がり込むまで待てばいいのです。だから、ボクは、視認性よりも操作性を優先して円錐ウキを使い続けているというわけなのです。
円錐ウキは操作性が最大のメリット
円錐ウキは波が高くても安定しているので磯ではよく愛用されています。それが一番のメリットなのですが、波止ではそんなに波が出ることはありません。それもあって棒ウキを使う人が多いのでしょう。
では、どうして波止で円錐ウキを使うかというと、最大の理由は操作性です。最初の方で少し触れましたが、ガン玉を増やせば簡単に沈め釣りに移行できます。道糸を引き抜いて誘いをかけても、道糸を張ってサシエを上ずらせてもウキの姿勢は変わりません。ウキをプラットフォームにしてサシエを自由にコントロールできるのです。
中通し円錐ウキのデメリットといわれる「糸落ちの悪さ」は、道糸を1.5号にしてこまめに交換することでほぼ解消されます。また、センターパイプは2㎜径が標準ですが、3㎜を使用すれば小さいガン玉でも仕掛けはスルスルと落ちていきます。
ウキに関してはいろいろな問題がありますから、折りに触れてボクなりの考えを紹介したいと思います。
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